顔面神経麻痺とは

顔面神経麻痺とは、顔面神経の損傷による顔の筋肉（表情筋）の運動麻痺のことです。顔の両側ではなく片側に出ることが多く、障害を受けた側が収縮せずに弛緩したままのため、顔の表情が出せなくなります。なお顔面神経には運動麻痺のほかに、味覚をつかさどる感覚神経や涙や唾液の分泌をつかさどる副交感神経もあるので、これらの麻痺も合併することが多いようです。

末梢性と中枢性

顔面神経麻痺の原因は大きく分けて２つあります。１つめは、ベル麻痺、ハント症候群、交通事故などによる外傷、耳下腺腫瘍、側頭骨腫瘍などの耳の病気による末梢性のもの。２つめは、脳梗塞や脳腫瘍などの中枢性のものです。

一番多い原因はベル麻痺

顔面神経麻痺の原因として、一番多いとされているのがベル麻痺です。朝起きたら顔が曲がっているとか顔の表情が動かせなくなっているなど、顔の麻痺が突然来るのが特徴です。 ベル麻痺の次に多いのが、ハント症候群になります。顔面神経麻痺の原因のうち、６，７割はベル麻痺とハント症候群です。

顔面神経麻痺の原因には、脳の疾病によるもの、ウイルスによるもの、外傷によるもの、原因がはっきり分からない急性のものがあります。

顔面神経麻痺の治療は問診や検査から始まり、脳外科、形成外科、神経内科、及び薬物療法、物理療法などにいたります。

顔面神経麻痺の症状には顔の一部が麻痺するもの、耳鳴り、めまい、耳痛があるもの、帯状疱疹があるものなどさまざまです。